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こうして決まる介護保険料の基準額

介護保険制度は住んでいる市町村が保険者として制度を運営する地域保険です。

 

阪南市の介護保険の財源は左図のようになっています。

65歳以上の第1号被保険者の方が納める介護保険料は、市町村が3年ごとに介護保険事業計画(現在は7期目)を策定し、その地域における3年間の保険給付費の見込みや高齢化率にもとづき、具体的な額を定めています。

保険給付費の23%を65歳以上の第1号被保険者でまかなうこととしています。


阪南市の介護保険の保険料の基準額とは、阪南市で必要とする総介護サービス量のうち、65歳以上の方の保険料負担分(全体の23%)を阪南市に住む65歳以上の人数で割って算出したものに今後3年間の高齢化率、上昇率を加味したものです。

つまり、介護保険料は、それぞれの自治体の高齢者が、どのくらいサービスを使っているかに応じて変わるのです。

 

▶事業所の数が多い、たくさんサービスを利用する → 保険料は高くなる

▶事業所の数が少ない、ちょっとしかサービスを利用しない → 保険料は安くなる

 

介護保険はそんな仕組みになっているのです。

 

また、国は高齢化と住民の所得の状況によって保険料の格差が出ないよう、配るお金を調整しています。(調整交付金:阪南市は財源の5%)

具体的には、「後期高齢者」の割合が高い自治体ほど、所得の低い人が多い自治体ほどたくさんお金を配ります。このような仕組みにすることで、単に高齢者の数が多い、お金持ちが少ないということで保険料が極端に高くなることはありません。

しかし全員一律で同じ保険料にしてしまうと、収入によっては負担が大きくなってしまう人もいます。そのため、所得基準を段階に分けて、それぞれの保険料率を掛け合わせて保険料を決めるしくみとなっています。

この所得段階は国の指針では0.45倍~1.7倍の9段階ですが、阪南市は10段階に、

3市3町ではもっと細かい区分を使用しているところもあります。 

3市3町の介護保険料の比較

 

1号の

財源割合

保険料基準額 年額

単位円 (月額) 

最大  年額

   (倍率)

最低  年額

   (倍率)

段階分け

泉佐野市

23

78,000  (6,500

195,000X2.5

29,250X0.375

14

泉南市

23

72,840  (6,070

203,952(X2.80

27,315X0.375

16

阪南市

23%

70,800  (5,900

120,360X1.7

31,860X0.375

10

熊取町

23

72,684  (6,057

174,441X2.4

27,256X0.45

16

田尻町

81,000  (6,750

 

 

 

岬町

22

72,000  (6,000

136,800X1.9

32,400X0.45

12

大阪府平均

79,632  (6,636

 

 

 

 

出典:各市HP,大阪府HP 但し田尻町は公表なし

令和2年4月より

令和元年10月の消費税率10%への引き上げに併せて、上記の最低倍率が見直され、

31,860×0.375 → 31,860×0.3 に軽減されました。

 

現在、介護保険課では来年度、第8期介護保険事業計画の策定中とのことです。阪南市の高齢化率は(令和2年3月末)32.4%に上昇しました。来年度に行われる介護保険料の改定では、値上げは避けられそうにありません。

 

        ファイナンシャルプランナー 坂本 典子